曲目リスト
1. Gods Amongst Insects ☆
2. H.W.A. (Human Wave Attack) ☆
3. Drugs, Thugs & Machetes ☆
4. Todesnacht Von Stammheim
5. S.A.D.M. (Svpreme Avantgarde Death Metal) ☆
6. Qasr Al-Nihaya
7. Aslimu!!! - All Slain Those Who Bring Down Our Highly Respected Symbols To The Lower Status Of The Barren Earth ☆
インダストリアルとクラシックの要素を取り入れた前作から更にスケールアップした傑作。
音楽性の詳細はTrivmvirateのレビューで書いたので一応簡潔に・・・
・NileやBehemothのような中東風のブルデスに荘厳なシンフォニーと無機質なインダストリアルの要素が融合している
・ブルデスにしては珍しい大作志向で一曲のプレイタイムが10分を越えることもある
・ジャンルをクロスオーバーしているバンドにありがちな悪いところが全部ない←
ここ超重要クロスオーバーしているバンドにありがちな悪いところというのは、貧弱なリフをオーケストラの分厚い演奏で誤魔化したり、おそまつなグルーヴを機械的なドラムビート(四つ打ちとか)で補ったりするところ。
短所をかばい合った結果、メタルとしてもそれ以外の音楽としてもどうしようもないものを作るバンドが多いが、The Monolith Deathcultはそういったバンドと一線を画する。
そもそもメタルとして優れているから他ジャンルのアレンジが活きてくるわけであって……厳かなオーケストラの演奏も、インダストリアルによる機械的なビートも、全てはデスメタルのアグレッションを助長するためにある。
その作風は前作から変わらず今回も非常に優れたアルバムを出してきた。Tetragrammatonは彼らのディスコグラフィーで最高傑作と言っても過言ではないと思う。
理由は、これまで以上にアレンジの幅を広げ、唯一の弱点であった冗長さを解消してきたから。
前作は背伸びしたプログレッシヴさがあったが、今作は一流のプログレメタルにも迫る勢いの構築美がひかる楽曲ばかりであり、ハリウッド映画のような壮大で美しい世界観を終始楽しめる作りとなっている。
また、Drugs, Thugs & Machetesのイントロにこれまでのアルバムに使ったSEを挿入する遊び心があるところもプラスポイント。過去作の焼き直しは嫌いだけど、こういう風にさらっと入れるのは面白い。
全てにおいて隙のない至高のアルバム。壮大でエスニックなブルデスが聴きたい人なら絶対聴いたほうがいい。これ以上の良質なブルデスはなかなかないと思う。
#3. Drugs, Thugs & Machetes
#7. Aslimu!!! - All Slain Those Who Bring Down Our Highly Respected Symbols To The Lower Status Of The Barren Earth
これでTetragrammatonのレビューは終わりです。ありがとうございました。