Opeth - Blackwater Park (2001)
曲目リスト
1. The Leper Affinity ☆
2. Bleak ☆
3. Harvest ☆
4. The Drapery Falls ☆
5. Drige For November ☆
6. The Funeral Portrait ☆
7. Patterns In The Ivy ☆
8. Blackwater Park ☆
北欧の暗黒神Opethの最高傑作として知られるアルバム。
恥ずかしながら私はOpethの作品をこれ一枚しか持っていないので他のディスコグラフィーと比べることができないが、Blackwater Parkが並外れた名盤であることはわかる。
プレイタイムは67分で収録されている曲は八つ、つまり長尺な曲が大半を占めているということになるが、冗長さは無い。唯一あるとすればラストトラックの"Blackwater Park"にある中盤の静パートだろうか。
だがそれはラストに来る怒涛のデスメタルへの布石なのでじっと耐えてみよう。焦らされた分だけの膨大なカタルシスを感じることができるはず。
まるで生きているかのように暴れまわる攻撃的かつ叙情的なデスメタルパートと、アコースティック楽器によって奏でられる繊細で美しいクリーンパート。
どちらか片方だけでもシーンのトップに君臨できるほどの実力を持っているが、その二つを往年のプログレッシブロックバンドの如く、見事に組み合わせたのがOpethというバンドなのだろう。
静の中に動があり、動の中に静がある。曲の中で複雑に絡み合う「静と動」が美しいコントラストを描き、デスメタルは芸術と呼べるほどの領域にまで昇華した。Opethが作り上げた荒涼たる世界観に、ただただ感嘆するしかない。
ここからは個々の曲をレビューしていきます。
#1. The Leper Affinity
不穏なSEから衝撃的な始まりを告げるオープナー。Mikael Åkerfeldt(ミカエル・オーカーフェルト)の威厳ある咆哮と、次々に変化していく素晴らしいリフにずっと耳を傾けていたくなる。非常に複雑な曲構成をしているが、全ての部分に聴きどころがあるのでとっつきにくさは無い。
ギターが重厚なハーモニーを奏でる動パートから、オーカーフェルトが儚いメロディを歌い上げる静パートへ、そしてまた邪悪なデスメタルへと二転三転していき、ラストは静かなピアノの演奏で締める超名曲。
#2. Bleak
中東音楽のような雰囲気を強く感じる名曲。ロックやメタルの中では中東音楽のメロディを含んだリフを弾くバンドが時々いるが、Opethもそれらと同様であり、Blackwater Park(アルバム)にもエスニックなメロディやリフが多く盛り込まれている。
そしてこの"Bleak"は中東の雰囲気をもっとも強く感じる楽曲である。北欧の耽美なメロディと、中東のエロシズム漂うメロディが入り交じる濃密なリフは、もはや言葉にするのがためらわれるほど素晴らしい。
曲展開も文句なし。中盤のアコースティックギターによる静かな旋律から、後半の泣きまくるエレキギターへの淀みない変異には鳥肌が立った。
#3. Harvest
珍しくデスメタルの要素がない静かな曲。アコースティックギターの旋律とオーカーフェルトの歌、ハーモニーが美しい。何も知らない人に聴かせたらメタルバンドが作った曲だって信じてもらえないだろう。憂鬱なメロディに深く沈み込んでいく感覚が味わえる名曲。
#4. The Drapery Falls
アルバム中もっとも陰鬱な曲。繰り返される静と動、叙情リフの応酬、その中に一貫して存在する物悲しさ。あまりの完成度に、誰もいない森のなかで静かに死んでいく自分の幻覚が見えた。
プログレッシヴとしても、ヘヴィメタルとしても最高峰の楽曲であると思う。これ以上に美しき死を感じる曲を私は知らない。
#5. Drige For November
こちらも非常にもの憂げな曲。オーカーフェルトの痛ましい歌声とアコギのメロディに背筋が凍りつくほど衝撃を受けた。
異常なまでの悲しみに気分が滅入ること間違いなし。ただ素晴らしい曲には違いないのだが、展開が他の曲に比べやや単調なため、どうしても少し弱いと感じた。
#6. The Funeral Portrait
アルバム中では珍しくグルーヴィーに突進するデスメタルナンバー。展開は比較的ストレートだが猛獣の如く吠えるオーカーフェルトのデス声とユニークなギターワークが退屈さを感じさせない。
クリーンパートは少ないが、Opeth節とも言える独特のリフが楽しめる名曲。アウトロのツインギターのハーモニーは心して聴くべし。
#7. Patterns In The Ivy
前曲からガラリと雰囲気の変わる静かなインスト。2分弱という短さでこうも心に残る曲を作るオーカーフェルトは本当に天才だと思う。
#8. Blackwater Park
ラストトラックにして最強の表題曲。長い長い中盤の静パートを耐え抜いたとき、想像を絶するほどのカタルシスが得られるだろう。これに関してはもう聴いてもらうしかない。名盤の終わりとしてこれ以上になく相応しい名曲。まさに終焉そのもの。
Blackwater Parkは私にとって3枚しかない神盤のうちの一つなのでレビューが少し長くなった。これほどの作品は滅多にないので絶対にアルバムを手に入れてもらいたい。
#1. The Leper Affinity
#8. Blackwater Park
以上でBlackwater Parkのレビューは終わりです。ありがとうございました。
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